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鯉昇成龍 106知恵

 あきない繁昌の知恵「嘘をつかない」

 嬉しい時は、嬉しいと感じ、

 笑いたい時は、心ゆくまで笑い、

 楽しい時は、楽しさを味わい、

 怒っている時は、それを隠さず、

 悲しい時は、ときには思いっきり泣いてみる。

 それを他者に対して表現するか否かはTPOに委ねられるが、少なくとも自分の感情に嘘をついてはいけない。

 

 怒っているのに寛容であろうと努め、哀しくても笑っている。

 楽しいのにブスっとしてみたり、嬉しくないと言う。

 自分の感情に嘘をつき続けると、それは抑圧した感情として心の奥深くに仕舞い込まれ、消えることなく、どんどんどんどん降り積もっていく。

 やがて感情は鈍麻し、心の平静を保つことが困難になってくる。

 そして、抑圧した感情の積りが臨界点に達すると、バーンと弾け飛び、放たれた攻撃の矢は、ある人は自分自身に向かい、また別の人は他者へと向かう。

 

 だから、他者に対してだけでなく、自分にも嘘をついてはいけない。

 自分に向いた矢は、自分の心と体を蝕み、他者に放った矢も、いずれは自分へ跳ね返ってくる。 

 そして、結局は、自分が傷つくことになる。

 

 さて、正直

 今日、私は泣いた。

 相手の理不尽さに、一人号泣した。

 その方は、40年近い私の人生における数少ない、泣かせ屋さんになった。

 しかも初対面にして…

 快挙である。

 

 それでも相手は、お客さま

 「お客さまは、神様」

 そう、自分の意識に訴えかけても、心まで偽ることは困難だ。

 最初に、怒り。

 次いで、悲しみが沸き起こってきた。

 「なんでここまで、がまんしなければいけないのか?」、と

 そして、喜び。

 「その方は、あえて憎まれ役を買ってくれたのだ、むしろラッキーじゃないか」、と

 しかし、偽りのメッキは、一瞬にして剥がれ落ちる。

 根拠のないポジティブは、かえってよろしくない。

 そういうことだ。

 

 泣きたい時は、泣く。

 感情が泣きたいと訴えたらば、泣く。

 で、泣いた。

 そうして思いっきり泣いていたら、何時の間にか土砂降りだった雨がやみ、雲の切れ間から、幾筋もの陽光が、滝のように地上へと降り注いでいた。

 

 『さばくな、そうすればさばかれない。

 罪に定めるな、そうすれば罪に定められない。

 赦せ、そうすれば赦される。』(福音書)

 

 理由や立場の如何にかかわらず、他者を傷つけることは、許されない。

 しかし、泣くことによって心が晴れるのなら、今回は滅多に出来ない貴重な経験をした、と割り切ることも出来るかも知れない。

 そんな絶妙のタイミングで雨が降り、そしてやんだ。

 鯉が滝を昇り龍に成って、私の悲しみや悔しさを浄化してくれた。

 そんなプレゼントも、あって良い。

 だって今日はクリスマス…なんだもの。

 

 

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