超資金繰り法⑥ 90知恵
あきない繁昌の知恵その90「売る」
85%を超える驚異的なリピーター率を誇るパークがある。
74知恵でも紹介したTDL、東京ディズニーランドが、それだ。
①潜在客
②見込み客
③お客さま
④顧客
⑤得意客
⑥贔屓客
これは、企業とお客さまの関係を基準にした顧客の分類方法
そしてリピーターとは、④以下のお客さまをさす。
TDLの顧客分類別売上は、④⑤⑥で85%超、①②の③で15%未満、ということだ。
ところで、潜在客(①)をお客さま(③)とするためのコストは、リピーター(④⑤⑥)を維持するそれの10倍かかる、と言われる。
さらに、お客さまであれば、彼らの自社に対する満足/不満足も知る由があり、その上で、商品やサービスを進化/改良する機会にも恵まれる。
他方、潜在客をお客さまとするために、飛込み営業、ルートセールス及び代理店契約等などでコストを費消しても、獲得にこぎ着ける割合は、1%にも満たない。
と言って、コストをケチれば、貧すれば鈍す、というジレンマに陥る。
その上、お客さまの声、など聞きようにもないから、社内で自問を繰り返す。
「一体、どこの何を変えれば、売れるのだろうか?」、と
リピーター、つまり安定顧客を抱える企業ほど、改善の機会が多く、かつコストも安く済む。
これはつまり、富める企業はますます富み、富まざる企業はますます貧する、という結果をもたらす。
そこで、超資金繰り
資金繰りを組む場合、①②を売上として見込むケースを、数多く見かけてきた。
お客さまではないが、取引が確定していれば、もちろん売上に見込んでOKであるが、そうでない時、(売上に)見込んではいけない。
超資金繰りの鉄則は、期待値は、一切排除する。
つまり、こういうことだ。
資金繰りを組む場合、売上(収入)を見積もることが、最も重要な作業となる。
限界利益、原価計算、費用配分など、「売上」は、すべてのコストを計算する根拠となるからだ。
だからこそ、売上に期待値が混入してしまうと、計画全体が、“期待に基づいた計画”となってしまう。
これでは意味がないばかりか、管理コスト等々を考慮すれば、ないほうがマシ、とさえ言える。
売上を見積もる場合、過年度実績±現在の受注状況に基づく。
起業間もなければ、現在の受注状況のみ、ということになる。
資金繰りは、経営計画の一部であるが、実際の運用に当たっては、現実を直視し、手堅く、安全第一に組む。
超資金繰りの鉄則第2は、安全第一
そして、超資金繰りの鉄則第3は、夢を叶えた夢を見る。
第一と第二が、(企業を)守るための資金繰りとしたら、第三の鉄則は、いつか得られるであろう企業経営の成果をベースにした攻めの資金繰り、である。
現在のビジネスで100億円の売上を達成することが夢(目標)であれば、それに基づいて資金繰りを見積もる。
遊び半分ではなく、真剣に、実現することを前提に計画する。
そして、日々の資金繰りと同じように運用する。
例えば、1月の売上予定5億円に対し、実績1千万円(達成率は2%)、資金繰りのマイナスは9千万円、となるかも知れない。
そこで凹むのではなく、夢に2%近づいた、と考える。
さらに、どうすれば5億円達成できるか、を現実的に検討し、吟味し、実行に移す。
なぜ、第三の手続きが必要なのか。
思考は現実化する、からである。
つまり、第一と第二だけでは、縮み思考に陥りやすい。
そして、計画に対して下振れした場合、“経費削減”を、資金繰り及び収支向上のメインテーマにする。
…で、縮み志向に自らハマっていく。
しかし、経費削減には、いつか限界が来る。
対して、売上に限界は、ない。
あるとすれば、それは社長の意識そのもの、である。
「ホンダみたく、なれるわけないじゃん」、と
さて、超資金繰り
結局のところ、資金繰り表は、2つ乃至3つ必要となる。
一つは、守るため
二つは、攻めるため
三つは、経営計画を金融機関に提出するため(これは、ないほうが望ましい)
TDLは夢を売る。
お客さまに、束の間の、しかもとびっきりの、いい夢を見ていただくビジネスを展開する。
ランドと外界、利益追求と果てしない顧客満足の追及という、夢と現実の曖昧な境界線が常に横たわりつつ、TDLは85%超という驚異的なリピーター率を、実現している。
夢に、縮み思考は無縁である。
しかし、現実を無視した夢は、泡と消える危うさを秘める。
夢と現実を同時に見る。
そして、本気で願い努力するのは、夢の実現に向かって、である。
そういう訳で、現実と夢の両方の現状/進捗をチェックするために、資金繰り表は二通り必要、となる。
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