久寿と葛~50知恵
あきない繁昌の知恵その50「差別化」
葛は、秋の七草の一つ。
秋の七草とは、山上憶良が詠んだ『萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花』、に因むと言う。
葛の根から出来るのが葛粉であり、葛粉から作られる和菓子が「葛餅」である。
漢方薬にある葛根湯も、葛の根を原料とする。
葛粉は、良質なでんぷんであり、栄養を効率よく摂取するには最適の食材の一つ、とも言われる。
かたや、川崎大師名物「久寿餅」
昨日、ジャスコの食品売り場で偶然手にしたのが、この葛餅、否、久寿餅である。
ところで、包装紙に記載された品名は「くず餅」
原材料名は左から、小麦粉・大豆・黒糖・砂糖とある。
葛、じゃない。
久しぶりの葛餅と思いきや、なんと、くず違いであった。
包みに入っていた、くず餅のおいしい召し上がり方には、こう書かれている。
『くず餅は小麦の粉を原料として作られたもので何分生物ですから、なるべく早くお召上がり下さいますようお願い致します。くず餅はでんぷん独特のにおいが御座居ますが、後略』
くず餅も、でんぷんの固まり、ということだ。
ところで、小麦を使ったくず餅は東日本に多く、葛を原材料としたくず餅は、西日本に多いとされる。
そして、どちらも同じ、葛餅と言われる。
表記方法も、くず餅であったり、葛餅あり、久寿餅ありと、ややこしいこと、この上ない。
…で、川崎大師名物
川崎大師は、その起源から厄除け大師として知られ、正月の参拝者数では全国トップクラス、1128年開創になる、真言宗の寺院である。
なんと、270万もの人たちが、初詣に訪れるというから、驚くほかはない。
もはや斯界のブランドである。
そして、ブランド戦略は、差別化の方略でもある。
話は戻る。
私がジャスコで購入したのは、葛餅のはずであった。
しかし、封を開けて見れば、それは小麦粉ベースのくず餅であった。
葛粉のそれと同じく、ぷにゅぷにゅした食感が心地よい、とは言え、あの葛餅とは何かが違う。
それでも、私は満足を覚えた。
理由は単純…
だって、あの厄除けで有名な川崎大師の名物、を食べたのだから…
差別化は、市場での優位性を勝ち取り、時に、市場そのものを創造する。
価格から価値へと、モノやサービスを計る基準が変化した現代では、尚更である。
久寿餅は、川崎大師というブランドを活用することによって差別化を果たし、遠く、新潟県三条市のジャスコにまで、その姿をあらわすことになり、結果として、一人のおっちょこちょいを、顧客として獲得したのだ。
川崎大師は、葛餅と言えば吉野という私の先入観を覆し、もう一つのくず餅を知らしめた。
ばかりか、久寿餅に顧客を一人つけたのだ。
御膝元で商売を営む方々にとっては、この上ないサポーターではないか
そんな風に考えたりする。
川崎大師
機会があれば、一度、訪れてみたい。
そして今度はその門前で、出来たての久寿餅をほおばるのだ。
その時、何知恵まで進んでいるかが、楽しみである。
2008年10月12日付け本編で、あきない繁昌の知恵は50を迎えた。
一万知恵まで9950
あと27年間、久しく寿ぎながら、あせらず、一歩づつ、ゆっくりと進化しつつ、知恵を積み重ねて行きたいと考えている。
(引用)ウィキペディア/川崎大師ウェブサイト↓
http://www.kawasakidaishi.com/
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